Japanische Klassiker mit Furigana
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ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
由良はこれはいよいよ信者も性根を出しだしたと思ったが、まさか蹴りつけるわけにもいかないので、どうすることかしばらくさせるままにさせてみようとじっとしていると、だんだん信者は由良の片足を高く上の方へ上げていった。それで由良は信者の頭を遠方へ押し飛ばして石の上へ這い上ったが、信者は水面へ顔を上げると由良の傍へ近かよって来て、もう少しかんべんしてじっとしていてくれるよう、自分の病いを癒すと思って助けてくれと小声で願うように云うので、何を君はしようとするのか分らぬが、もう僕は御免だ、帰ると由良はいうと、信者は、うろたえて由良の片足を圧えながら、もうちょっと一緒にいてくれ、もう直ぐ出るからと云ったかと思うと、また足へぴたりと唇をつけて、じろりと下から由良の顔を見上げながら舐め始めた。由良は信者の舌が生ぬるく動く度に、身体がぞくぞくするのであるが、こうまでしなければ病気も癒らないものかと哀れになって、しばらく我慢をしていてから、もう良かろうといって足をひくと、信者も待たずに着物を着て帰って来た。帰るみちみち、由良は信者のその夜自分にした行いを考えると、何んだかいままで信者の自分に云ったことは、学者のことも、花江のことも、ことごとく彼ひとりの造りごとのような気がして来て、道のまん中で立ち停ると、もう一度信者に訊き正し