Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

口へ竹の棒を通して、炭火の上でクルクル廻しながら焼くんやね。うち、比島へ行ったから知っとるが、ちっちゃな尻尾を巻いて、三寸人参を銜えたやつが、コンガリと焼けあがって、バナナの葉に載って出てくるよ」

「わかりました。もう結構ですよ」

「いや、まだわかっとらん。まあ、聞きなさい……この家にエルマンという悪いやつがいて、あんたらに検挙られて、マニラへ送還されたが、あれは純粋なポリネシアやから、誰が豚を飼っていたか、推して知るべきでしょう。胡乱なことをいうとるのやない。この家でメードをしとったのが、うちで遊んどるが、それが現実に見とるんや……洋館にいたシュラーがアメリカへ帰ったあとは、独身者ばかりで、パントリーを使わないのをいいことにして、そこで豚を飼っとったらしい。餌をやるのを忘れると、豚がこの広廊をトコトコ歩いて、エルマンの部屋へ催促に来るんやて……見てみなさい。この一面の傷は、タップでもなんでもない。みィんな豚の蹄の痕です。なんぼ接収家屋やかて、神聖なる個人住宅の座敷の中で、不潔な豚をアチコチさせるなんてのは、あまりにも、敗戦国を侮辱したやり方や思うね。