Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
四七
しかしそれが確かな事実であるのをどうしよう。
それでも葉子はまだ立ち上がろうとした。自分の病気が癒えきったその時を見ているがいい。どうして倉地をもう一度自分のものに仕遂せるか、それを見ているがいい。
葉子は脳心にたぐり込まれるような痛みを感ずる両眼から熱い涙を流しながら、徒然なままに火のような一心を倉地の身の上に集めた。葉子の顔にはいつでもハンケチがあてがわれていた。それが十分もたたないうちに熱くぬれ通って、つやに新しいのと代えさせねばならなかった。
四七
その夜六時すぎ、つやが来て障子を開いてだんだん満ちて行こうとする月が瓦屋根の重なりの上にぽっかりのぼったのをのぞかせてくれている時、見知らぬ看護婦が美しい花束と大きな西洋封筒に入れた手紙とを持ってはいって来てつやに渡した。つやはそれを葉子の枕もとに持って来た。葉子はもう花も何も見る気にはなれなかった。電気もまだ来ていないのでつやにその手紙を読ませてみた。つやは薄明りにすかしすかし読みにくそうに文字を拾った。
「あなたが手術のために入院なさった事を岡君から聞かされて驚きました。で、きょうが外出日であるのを幸いにお見舞いします。