Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
葉子はこの家に持ち込まれている幅物を見て回っても、ほんとうの値打ちがどれほどのものだかさらに見当がつかなかった。ただあるべき所にそういう物のあることを満足に思った。
つやの部屋のきちんと手ぎわよく片づいているのや、二三日空家になっていたのにも係わらず、台所がきれいにふき掃除がされていて、布巾などが清々しくからからにかわかしてかけてあったりするのは一々葉子の目を快く刺激した。思ったより住まい勝手のいい家と、はきはきした清潔ずきな女中とを得た事がまず葉子の寝起きの心持ちをすがすがしくさせた。
葉子はつやのくんで出したちょうどいいかげんの湯で顔を洗って、軽く化粧をした。昨夜の事などは気にもかからないほど心は軽かった。葉子はその軽い心を抱きながら静かに二階に上がって行った。何とはなしに倉地に甘えたいような、わびたいような気持ちでそっと襖を明けて見ると、あの強烈な倉地の膚の香いが暖かい空気に満たされて鼻をかすめて来た。葉子はわれにもなく駆けよって、仰向けに熟睡している倉地の上に羽がいにのしかかった。
暗い中で倉地は目ざめたらしかった。そして黙ったまま葉子の髪や着物から花べんのようにこぼれ落ちるなまめかしい香りを夢心地でかいでいるようだったが、やがて物たるげに、