Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
そう思いながら葉子は目でなでさするようにして倉地が一心に箸を動かすのを見守らずにはいられなかった。
やがて箸と茶わんとをからりとなげ捨てると、倉地は所在なさそうに葉巻をふかしてしばらくそこらをながめ回していたが、いきなり立ち上がって尻っぱしょりをしながら裸足のまま庭に飛んで降りた。そしてハーキュリーズが針仕事でもするようなぶきっちょうな様子で、狭い庭を歩き回りながら片すみから片づけ出した。まだびしゃびしゃするような土の上に大きな足跡が縦横にしるされた。まだ枯れ果てない菊や萩などが雑草と一緒くたに情けも容赦もなく根こぎにされるのを見るとさすがの葉子もはらはらした。そして縁ぎわにしゃがんで柱にもたれながら、時にはあまりのおかしさに高く声をあげて笑いこけずにはいられなかった。
倉地は少し働き疲れると苔香園のほうをうかがったり、台所のほうに気を配ったりしておいて、大急ぎで葉子のいる所に寄って来た。そして泥になった手を後ろに回して、上体を前に折り曲げて、葉子の鼻の先に自分の顔を突き出してお壺口をした。葉子もいたずららしく周囲に目を配ってその顔を両手にはさみながら自分の口びるを与えてやった。