Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

「あなたみたいな悪党に」

「それはお門が違うだろう」

「違いませんとも……御同様にというほうがいいわ。私は心だけあなたに来て、からだはあの人にやるとほんとはよかったんだが……」

「ばか! おれは心なんぞに用はないわい」

「じゃ心のほうをあの人にやろうかしらん」

「そうしてくれ。お前にはいくつも心があるはずだから、ありったけくれてしまえ」

「でもかわいそうだからいちばん小さそうなのを一つだけあなたの分に残して置きましょうよ」

そういって二人は笑った。倉地は返事を出すほうに岡のその手紙を仕分けた。葉子はそれを見て軽い好奇心がわくのを覚えた。

たくさんの中からは古藤のも出て来た。あて名は倉地だったけれども、その中からは木村から葉子に送られた分厚な手紙だけが封じられていた。それと同時な木村の手紙があとから二本まで現われ出た。葉子は倉地の見ている前で、そのすべてを読まないうちにずたずたに引き裂いてしまった。

「ばかな事をするじゃない。読んで見るとおもしろかったに」

葉子を占領しきった自信を誇りがな微笑に見せながら倉地はこういった。

「読むとせっかくの昼御飯がおいしくなくなりますもの」