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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

三

唯かれは河師としての生涯に、一番恐ろしい驚きをしたということのみを、あとで人人に話していた。それと同時にかれは河師の職をやめてしまった。

姉は話上手であった。これを話し終えても私はまだ睡れなかった。そして色色な質問して姉をこまらした。

「いったい池の底に何者がいたんでしょう。」

「そりゃ判らないけれど、やっぱり何か恐ろしいものがいたんでしょうね。」

「では今でも鞍が浮くんでしょうか。」

「人がそう言い伝えているけれど、どうだか分らないわ。しかし恐い池だって。」

私は話最中にその鞍が岳を目にうかべた。それは鶴来街道を抱き込んだ非常に寛やかな高峯で、この峯つづきでは一番さきに、冬は、雪が来た。

「富樫って武士はまだ池の中に生きているの。それとも死んでしまったの。」

「それが分らないの。生きているかもしれないわ。」

姉は脅かすように言って、

「もうお寝み。」と言った。

私は軽い恐怖をかんじて姉にぴったりと抱かれていた。姉の胸は広く温かかった。やがて私は姉のあたたかい呼吸を自分の頬にやさしく感じながら眠った。

三

私どもの市街の裏町のどんな小さな家家の庭にも、果実のならない木とてはなかった。