Japanische Klassiker mit Furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lesen Sie 探偵クラブ 烙印 (つめ) von 大下 宇陀児 (おおしたうだる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.509 Zeichen · 103 Bildschirme
二
だった。朝、伯太郎はときやに連られて幼稚園へ行く、そうして、お昼頃にときやと一緒に帰って来る。その時に、ママちゃんは大抵、お湯殿から出て、大きな鏡台の前で、他の婢や達に手伝わせながら、真白なタオルで顔を蒸したり、チカチカ光る電気の器械でマッサージをしたり、それからいろんな形の容物の中にある水だの白粉だのを塗りつけて、一番お終いに赤いゴムの袋のついた細長い瓶から、シュッ、シュッといって音をさせて、香水を身体中に振りかけているのだった。
「ママ、唯今――」
と伯太郎がいえば、ママちゃんは、そのいい匂いのする袖をひろげて、一度はきっと伯太郎を抱きしめてくれる。露子の方は、ママちゃんから、一度もそんなことをして貰ったことはないというのだけれど、とにかくそれで、伯太郎は充分満足しなければならぬのであった。
二
露子にいわせると、今度のママちゃんは、両腕を手頸のところで組み合せて作った環の大きさぐらい好きだということだったし、伯太郎は、無論、先のママちゃんには敵わないにしても、露子のいうその倍ぐらいよりもっとよけいに好きだということであった。
しかし、こうした二人の意見の相違が、時によると、ふいに無くなってしまうことがある。