Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

「お母さま、どうしてお父さまは興味くなさそうにしていらっしゃるんでしょう。わたしそれが気になってならないんですよ。」

母親は砂の上に夕闇とはもっと濃い影をひいて歩いてくる父親の垂れた手と、うつ向きがちな顔とを目に入れた。

「あれはお父さんの、ずっとむかしからなさる癖なんですよ。――しかし此処にまで来てなおああも寂しそうに考え込んで居らっしゃろうとは思わなかった。――そういう考えることはわたしだちは一度に棄ててしまったんですけれど……。」

娘はふしぎそうに母親を見た。

「どうして考えることを母さまはお棄てになったの――でも、やはり毎日なにかお考えになっていらっしゃるじゃありませんか。」

「それは……。」母親は溜息をついた。「それは何も彼もすっかりこの世間のことが新しくなって、わたしだちは何時の間にか三人きりになってしまったときにも、やはりわたしだちは種々なことを考えなければならなかったことに気が付いたんですもの――お父さまだってむかしと渝らない、渝ったものはこんな湖べりに来ただけですもの。」

娘は幾度も頭をかたげていたが、夢を半分切りぬいたように何も彼もわからないらしかった。