Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
説客
「裏切ったか。老臣どもは浅井家を去ったか。名を惜しまぬは去れ。勝手だッ。こうなっては、われをわれの思うままに生かすしかない。よしッ、見せてやろう。信長に。いや天が下の武門すべてに。……浅井長政の生き方を」
彼はもう微笑すらその面に持つことができた。
説客
――黙然と、長政は、三重櫓の暗い階段を下へ降りて行った。
あとに続いてゆく臣たちの眼にも、なにやら、ふかい地の底へでも――こうして供に従いてゆくようなここちがした。
「な、なんたることだッ」
真っ暗な階段の途中で、ひとりの部将が、泣いているような声でさけんだ。
「――大野木土佐、浅井玄蕃、三田村右衛門など、三人もそろって、お味方を裏切るとは」
すると、呻くように、また他の一名が、
「身、老職にありながら。……しかも重要な京極曲輪を、預けられておるご信望をも、むざと、ふみにじッて」
と、悲涙して咽ぶと、
「に、人非人めッ」
ひとしく、唇をかみ破って、三老の不忠を罵った。
長政が、うしろを向いて、
「やめい。……愚痴は」
と、いったとき、一同は階段を降りきって、やや明るい、いちばん下の広い板敷の間に立っていた。