Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
この年、夏の初めに起った「一挙美濃入り」の軍議にも、始終、彼はだまって末席にいた。
「そちは如何に思うか」
と、訊かれた時、初めて、
「まだ、機は熟さないかと、思われます」
と、答えた。
非常に信長の意にそまない返辞だった。信長は咎めるように、
「鵜沼の虎を用いて、西美濃の三人衆だに降してしまえば、美濃は、居ながらにも自滅するように申したのは、そちではないか。なぜ、まだ時が早いというか」
「そうは参りませぬ。美濃は、おそれながら御当家の何十倍も富強です」
「前には、人材のかどを申し、こんどは富強をあげて云い恐れおる。そうしては、いつの日か、美濃攻めをやり果せようか」
信長はもう彼にものを問わなかった。そして軍議は、すすめられた。
驚くべき大軍が、小牧を発し、洲股を陣地として、美濃へ向けられたのは夏だった。
河を越えて、敵地へはいっての戦いは、一月の余にわたった。その間、たくさんな戦傷者が、後方へ送り返された。いつまでも、味方の勝報はなかった。
戦いつかれた軍は、ただまっ黒になって、将士みな口をむすんだまま憂暗な顔をもって、小牧山へ帰って来た。
「どうだった? 戦いは」