Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

――栗原山まで。

と、出かける意思を聞いては、一驚せずにいられなかった。

その栗原山には今、近頃の孔明か楠の再来かのようにいわれている斎藤家の旧臣、竹中半兵衛重治が閑居している。

その半兵衛重治の人間についてだの、また、斎藤家との関係などを、先日からしきりに詮索していた藤吉郎であったので、

(さてはまた、鵜沼の虎や三人衆を抜いて、織田の軍門へ駒を繋がせた筆法で――)

とは、およそ見当もついていたが、まさか藤吉郎自身が、敵地ふかくはいって、その栗原山を訪ねる気でいようなどとは、考えられもしなかった。

「ほんとにお出向きになるお心ですか」

「されば」

「真実?」

「何で念を押さるるか」

藤吉郎は、さしたる危険とも大事とも、思っていないふうであった。

「初めて、お身にだけ、意中を明かしたわけだが、内密に行って参ろうと思う。数日のあいだ、留守をたのむ」

「おひとりで……?」

「いや、最前の佐屋桑十を一名連れよう」

「あの男、ひとりの供では、まるで素肌で行くも同じこと。そうして単身敵地へおはいりあって、果たして、栗原山の半兵衛重治を、首尾ようお味方へ招くことができればよいが」