Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
傍らへ寄せた白土の煎茶炉へ、さっきから三つ四つの炭の欠けらをついでいたが、火箸を置くと、風雅な唐団扇を把って、塵のたたぬ程に炉の口を煽いでいるのだった。
火がおこる。
瓶の湯が沸る。
その間に、茶巾をもって、主客の小さい煎茶茶碗を拭う。
沸る湯の音に湯かげんを聞き計っているらしい。
手ぎれいである。そつがない。しかしずいぶん気が永い。藤吉郎は足のしびれを感じだしたが、その間、次のことばを云い出す隙が見つからなかった。
気がつけば、自分が縷々と述べたことなどは、松風の彼方に飛んでしまっている。半兵衛の耳に何も残っていないらしい。
「あいや。ただ今申しあげたことについての、御返辞はどうでござりましょう。禄高や待遇のお酬いを申したてて、利をもって誘うなどは、あなたの御出廬を促す道でないと信じますゆえ、左様な条件がましき儀は一切申しません。――ただ小国ながら、後日、天下に為すあるお方は、わが御主君を措いて他にないことと、あなたの如き人物を、山家に朽ちさせておくことは、この乱世に、勿体ないことであると、世のためにも」
云いかけた時、主人の膝がしらが、きっと向いたので、思わず息をつぐと、半兵衛は、静かに、茶托をさしのべて、