Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
良人の今までの例では、母にだけ来て、妻の自分には来ないで、母への文の端書ぐらいにすましてあるようなことはある。
けれど。
妻にのみよこして、母へ来ない例は、今までにはなかった。――何か、変ったことでもあって、母に案じさせまいためではあるまいか。寧子はふとそう考えた。
で。――自分の部屋でひとりその封を切ってみると、いつになく長文で、
殿さま美濃入国つつがなくお遂げ被遊
と、前文して、自分の洲股凱旋のことを次に誌し、さて、それから用向きに移って、次のような文意が認めてあった。
かねがね母上をもそもじをも、自分の側に迎えて、共に朝夕暮すことは大きな希いであったが、ようやく自分も一城の主として、今日領するところ五万石、馬印をもゆるし賜わり、まずまず母上をお迎えしても、御不自由はさせない程になったと思う。
しかし、かねて母上は、御自身がわしの足手まといとなっては、主君への御奉公に事欠くような惧れもあるやにお考えなされ、旁また、御自身は百姓ばばじゃ、今のくらしでも身にすぎたなどと、いつも口ぐせに仰せられている。
故にきっと、藤吉郎から申し上げても、また何のかのと、お否み遊ばすにちがいない。