Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
平日十年の城内勤めよりも、一日の戦場の働きを、武士は誰でも希っているのである。そういう家中も多い中から、
「征け」
と、命じたのは、信長としても、思いきった抜擢であった。
光秀は、勇躍して、伊勢路へ向った。もちろんまだ大部隊の将ではない。約百五十騎ほどの士頭としてである。
途中、洲股川を南へ渉ると、一城が眼についた。木下藤吉郎の洲股城である。その一軍は、船を降りると、城内の味方から、湯茶兵糧などの接待をうけた。
戦野はまだ遠い。
兵たちは、のどかな大河を前に、兵糧を楽しんで喰べた。
馬にも、若草を喰ませ、河原へひいて、水を飼ったりしていた。
「池田はどこにおらるるか」
その中へ、小柄な侍が、にこにこ微笑みながら歩いて来た。誰もそれが、洲股城の守将藤吉郎とは思わないので、
「池田とは誰か」
と、かえってその無礼を咎めるように、ぞんざいに云った。
「これは、池田勝三郎の隊ではなかったのか」
勝三郎信輝は、隊の主将である。それを呼び捨てにするので、兵は、彼の顔を見まもった。
どこかで見た気がする。
木下殿――と囁いた者があって、初めて気づいたらしく、あわてて一人が駈けて行った。