Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
去年入洛の時は、朝廷の御料地の回収令を出したが、ことし信長はまた、
(末代までも御賄いの調の絶えないように)
と、朝廷の御経済を、今までの料地上納から金本位に訂正した。――つまり洛中洛外の諸商人に、公金を依託して、その金利を年々収めることにしたのである。
公領から上がる御料では、なおまた各地の乱に乗じて、武力や土寇のため掠め取られる惧れがあり、それでは真に宸襟を安んじ奉ることにならないと考えたからであった。
こうして、御所の造営と共に、朝廷の経済も革まった。応仁以来の妖雲も、天の一角から明るくなった。天皇の宸悦あらせられたことはいうまでもない。信長の心からな忠誠はまた、より多く、民衆の心を打った。
上を安んじ、下の和楽をながめながら、信長もその間に、この二月の春を、家康と共に、心から楽しんだ。
花に遊び、茶を点じ、舞楽をなし、うつつなき人のようによく遊んだ。
誰か知ろう、実は、そのあいだに、彼の心には、次の苦艱を突きぬく用意ができていたのである。
信長が、行動を起した時は、もう新たな事態が地上に建っている時で、実は彼が手枕で眠っている間に、その設計と次に打つ手はあらまし形を進めているのであった。