Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
鞠を手に留めて、
「はアい。なんです」
「あなたお幾歳になったんですか」
「十――四」
「御近所の方がわらいますよ。箏でも弾くか、お書初でもなさい」
「笑ってもかまわないの。お姉さまのようになると、もう鞠はつけないでしょ」
木綿藤吉
米、五郎左
かくれ柴田に
のけ佐久間
「や屋さん――」
「またあ。なんですか」
「そんな唄、謡うもんじゃありませんというのに」
「あら」
「およしなさい。町の流行唄なんか。もっといい鞠唄があるでしょ」
「お姉さまは、ほんとに勝手ですね。この唄は、お姉さまが町から覚えて来て、わたしに教えたんでしょ」
おや屋の理窟に負けてしまったのか、垣の内の声は黙ってしまった。
おや屋は、垣の隙間へ顔を寄せて、台所に見える姉の姿へ、
「奥様。若奥さま。――木綿藤吉の若御寮さま。どうしてお黙り遊ばしてしまったのですか」
と、からかった。
浅野家の弓長屋以上、ここは隣近所が耳近いのである。寧子は顔を真っ紅にしてしまい、
「――や屋さん」
と、睨める真似して、家の奥へかくれ込んでしまった。
「ホホホホ、お姉さまが、お姉さまが」
おや屋は欣しがって、思わず鞠を宙へ抛った。ぽんとつくと、前よりまた高く上がった。