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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

そして灯ともし頃、ここで身支度をして、すぐ安土へ出発となった。

「御乗馬は、西門口へまわしてあります。御家来方も、はやそこにてお待ちうけです」

右衛門大夫秀治は、さいごに室を立って、三、四名の側臣にかこまれながら寺の玄関を出たが、そこで案内者として待ちうけていた明智方の人々がそういうので、

「御苦労」

と会釈しながら、夕闇の境内を縫って、西門の方へ従いて行った。

ところが、彼よりも先にどやどやとここを出た波多野家の諸臣は、同じように外に待っていた明智方の武士たちに、

「御主人の御乗馬は、東門の外につないでおきました。どうぞ、あちらへ」

と、指さされたので、彼らは主人の秀治が行った方角とは真反対な、東門の方へ伴われていたのである。

いずれ自分らの主人は、すぐあとから来るものと信じていた。しかし、東門の外へ出てみた途端にふと怪しんだのは、そこに待っているはずの乗馬も小者たちの影も見えない。ただ寥々たる夕闇があるだけだった。

「御乗馬や供の者は、いずれにおりましょうか」

一団になって佇みながら、波多野家の臣たちがこう明智方の者へたずねると、そのことばが終らないうちに、四方の夕闇から一斉に答えたものがある。