Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
「主人筑前守には、この鳥取城のお守りを、よくこれまでお支えなされたと、口を極めて、われら部下の者にも、嘆賞しておられます。けれど、もはや糧道も絶え、御名分も立ったというもので、これ以上、おすがりあっても、餓死のほか途はございますまい。あなた方武士たちは、斬って出て、死に様もお心のまま選ぶことができましょうが、傷者、病人、また三千余の領民を共に餓死させるは、無情の至りです。私義にこだわって大義なきものです。ところで主人筑前守がお心では、わずか二人の者の生命だにお差出しあれば、全城の生命は甦える。あなたの御名誉をも十分に考慮しようと、頻りに安土ともお打ち合せにござりますが」
「はははは」
経家は、黙って聞き入っている途中から、ふいに笑い出した。しかし嘲笑ではない。この使者の飾り気のなさを、その眼は、むしろ愛している。
「あいや、お使者」
と、彼もていねいに呼んだ。
「誰が、いつ、降伏致すと申しやったかな。筑前のひとり呑込みであろ。筑前が望みは、城中の難民やわが士卒の生命ではあるまい。鳥取の城であろう。そうはやすく参らん。これには、経家が住んでおる」
「いや、おことばですが、この一城、攻めおとさんとするならば、これはもう陥ちます、誰の眼にも」