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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

待つ間、傍らの生駒雅楽助や蜂須賀彦右衛門に、何事か耳打ちしていた。

「安国寺どのが見えられました」

程なく官兵衛から披露すると、秀吉は朝陽のこぼれている書院へ彼を引いて打ち寛いだ。むかし話やら、都の噂などの末に、

「さて、御僧には、清僧か、妻帯か」

と不意にたずねた。

恵瓊はうろたえ気味に、

「清僧にござりまする」

と、答えた。妻は持っていないということである。

「やれ、やれ。それは」

秀吉はもったいないような顔をして、しかし、祝酒ならよかろうと、小姓に銚子を命じ、三宝に盛って出された昆布、勝栗、美濃の干柿などのうちから、柿一つ取って自分も喰べ、恵瓊にも、

「取れ、取れ」

と、すすめ、

「さて」

――と、本題にはいって、こう説いた。

「宗治の命一つが、双方の面目問題にかかって、和議もさッぱり埒あかぬようだが、顧みるに、天正六年播州の序戦で、わが軍は作戦上ぜひなく、尼子勝久、山中鹿之介たちの上月城を打ち捨てた。その折にも面目を失したし、次いで去年、伯耆の馬之山においても、吉川元春と対陣の末、われはわれから陣を払って引き退いた。――かく両度まで、われは天下に面目を欠き、毛利は武門を立てて来たことゆえ、このたびは高松の守将清水宗治に死を与えるとも、決して両川(吉川・小早川)の恥にはなるまいと思う。