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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

男をつくりて

……かく両川にも申し伝え、異存なくば、宗治の切腹を見とどけた後、直ちに誓紙を取りかわすであろうとの明言にござりました」

間もなく、恵瓊をのこして、両川は毛利輝元の前にこれを伝えていた。元より異議を立てる理由はもうどこにもなかった。

男をつくりて

わたくしもお供に。

それがしも何とぞお供に。

高松城の士たちは、次々に主人宗治の前へ出て死を願った。

「成らん。相成らん。いけない」

宗治は、それを叱ったり、諭したり、なだめるのに、口を酸くした。

一時は当惑につつまれた程だった。しかしすべての者に一様にゆるさなかった。

恵瓊の舟が城を辞して離れるとすぐその後で、彼は自己の決意を全城の者に告げたのだった。

あわせて、また、

「きょう午の刻に、この濁水の湖上に舟をすすめ、敵味方見る中において腹切る所存」

と、その舟支度を士たちにいいつけていた。

号泣の声が城に満ちた。いたずらに彼の屠腹をかなしむのではない。人の死は日々眼にも見、耳にも聞き、おのれの死もそれと変らぬものと常に観ている人たちである。

宗治の犠牲によって、はからずも自分たちのその命が救われたことを狂喜した哀号でもなかった。