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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

「かたちの上では確かにそうです。しかし伝教以来の宝塔仏舎を灰燼とされ、万を数える師弟骨肉を殺戮された衆徒や有縁の者どもが、何で、まだ生々しい当年のうらみを、心から忘れておりましょうか」

「さればこそだ……」

光秀は、ほっと大きな息を天井へ吐いて、

「当年、わしもまた、信長公の御命やむなく、その狂炎の一ツとなって、山徒の悪僧のみか、無辜の老幼僧俗まで無数に刺し殺した。……今日、それを思うと、この胸は、さながら当年の燃ゆる山の如く呵責される」

「つねに仰っしゃる大乗的なお考えに似げないおことば。叡山ばかりのことではありますまい。興る者、亡ぶ者、春去れば秋の来るように繰りかえしている地上の相です。一殺多生、一山を焼いても、五山百峰の法を明らかに照らしめれば、わたくしたち武人の殺は、決して敢えなく無辜の命や文化を亡ぼすものでは、決してないはずと存じまする」

「いかにも、その通りだ。それしきの道理を弁えぬ身でもないが、一個の情として、今日の叡山にたいして、わしは一滴の涙を禁じ得ないここちがするのだ。……左馬介。公の惟任日向守としては憚りあろうが、ひとりの凡人が、御山の址を弔う意味でなら何のさしつかえもあるまい。