Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
そちたちはいかに聴くか。――心知らぬ人は何とも云はばいへ、身をも惜しまじ名をも惜しまじ」
自分の歌を微吟してゆくうちに光秀は、われとわが身をあわれむような心地になって、はらはらと落涙した。宿老旗本、囲いの中の者すべて、みな嗚咽し、或いはすすり泣いた。中には鎧の袖を咬んで俯っ伏す者さえあった。
中に、哭かない者が一人いた。老将斎藤利三である。
さっきから耳かたむけて聞いていたが、光秀の言に、彼はまだ不備を見出していた。――全軍の中堅たる部将一同に、ここで天地神明にかけての誓いをなさしめるべくは、さっきからの光秀の言は、余りに述懐的だし、理論にわたり過ぎているし、また反対に、感傷に紊れている。
で、内蔵助利三は、一同の悲涙と無念とを、血の誓約へ、一つに結びつけるため、突として、こう提言した。
「いかに各※(二の字点、1-2-22)。われら風情をも、恃むべき輩と思し給えばこそ、かほどの大事をも、お胸を割って、打ち明け下されたものと存ずる。君恥かしめらるれば臣死す。やわか殿おひとりのみに苦患をおさせ申そうや。人は知らず内蔵助利三ごときは、あとも短き老い骨、一夜たりとも、己が主君を、天下様と仰ぎ、ひいてはお怨み積る右府信長公の滅落をこの目に見たら、もう死んでも思いのこりはない。