Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
大家族の家長としてもじゃ。何も知らぬ末々の者や女子どものために、世に対してはつらい涙ものんで、しかも大船に乗せたここちの安心を与えておくのが、家の主ではないか。――そもそも主人の統業にたいし、その情熱に与みして来ながら、おりおり批判的な眼で主人を見たりなどしていたことが怪しからぬ。あれやこれ、いえばまあ限りもないが、要するに、日向守の逆事は、知性に疲れた智者の破綻じゃ。それと、五十五の坂にかかった人間の生理的な焦躁とか、我慢のおとろえとか、脾、肝、心、腎、肺の五臓の衰気も多分に手伝うていることは疑いもない。――もし彼が老いてもいよいよ健康であるか、或いは、もう十歳も若かったら、決してこんなばかをやって、天下を騒がすことはしまい」
道三の長ばなしについ聞き入っていたが、紹巴はふと、べつな方に騒がしい人声を聞いた。――と思うまに、ひとりの門生があわただしく廊下を駈けて、道三をさがしに来た。
門生はそこに師の道三を見つけると、あわただしく告げていう。
「早くも都下一帯に、残党狩りが始まりました。もちろん明智の衆が、なお全市には織田方の士が潜伏しおるものと見ての追求です。