Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

元祐は精読した。

主人が、それを見て、どんな気色を顔に示すだろうか。それを、惣左衛門は、うわ目づかいに、窺っていた。

まんざらでない顔色である。秀吉の手紙はもちろん招降の書簡で、内応して、城をわたすなら、信長に取り次いで、戦後充分な恩賞をもって酬おう。備中一国は貴下に呈してもよい。そう認めてある。

「惣左」

「はい」

「そちはどう思う」

「てまえは、ただ殿と、生死をともにいたすもの。殿の御意のままに従いまする」

惣左衛門のことばは、すでに元祐の中にうごいている心をすすめているのと同じであった。

が、さすがに、元祐も迷っていた。容易に決意はつかなかった。

惣左衛門が重ねていう。

「何分、ここの城主、日幡どのが、あのように頑迷では、いかに防いでも、落城の日の遠からぬことだけは確かです。それにひきかえ、敵の秀吉はこの中国においても、日増しに衆望を昂めているようで……」

と、主人の眉をまた見つめていたが、元祐もむしろそれに同意らしく窺われたので、次のことばにはもう忌憚なく自分の意思を述べた。

「ひとたび落城を見てからでは万事休すです。御最期か、生捕りの憂き目を見るかの二つを出ません。