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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

もし良人や、わが家の家中に、そのような異端を味方のうちに招いたものがあるなれば、あなた方のお手はかりませぬ。……今も今とて、そのことを、取りただしているところでした。しばし、調べのつくあいだ、静かに始末をお待ちください」

いうと、元祐の妻は、ふたたび門の扉を閉めさせて、邸の内へかくれてしまった。

「立ち帰ったか」

元祐は、室内へもどって来た妻にたずねた。

彼の妻は、涙の中から、良人の顔を蔑むごとく、恨むごとく、じっと見てから、

「いいえ」

と、だけ答えた。

そして、しとやかに、

「惣左衛門をこれへお召し下さいませ」

と、願った。

元祐の近侍は、すぐ家老の竹井惣左衛門をつれて来た。そして、惣左のすがたが縁に見えると、

「入るに及びません」

と、夫人みずから室の外へ出て行った。

とたんに、するどく、

「不忠者!」

と、夫人の叱る声がそこに聞えた。元祐は愕いて座を立って室外へ顔を出した。見れば、夫人は隣室から携えて出た薙刀の一颯の下に、竹井惣左衛門を手討ちにしていたのである。

「あッ。そ、そなたは、何で惣左を……。何で?」

蒼白な面の裡に、元祐は、抑え難い怒りを燃やしていう。