Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
――まず、一番さきにこれへ出た右側の男から申してみい。さあさあ、遠慮なくいうてくれ」
と、官兵衛もきょうはくだけた調子ではなしかけた。
ここでこの工事に従った人夫たちが、どの程度の給与をうけていたかを一瞥しておくのもむだではあるまい。
「武将感状記」の記載によると、総工費の支用は、
銭六十三万五千四十貫文
米六万三千五百余石
を要したと書いている。
が、この巨額な米や金が、秀吉の陣中に用意してあるわけではない。征旅五年にわたる中国陣では、多くの敵産も獲ているが、より以上莫大な数字にのぼる軍費を遣っている。そうそう無限に安土からそれを仰ぐのも秀吉の本意でない。
また、この総費用をまかなう米と金の一部ぐらいは、宇喜多家の城庫にもあることはある。だが、それは万一の備えとして、涸渇させたくなかった。また今、宇喜多家からそれを取り上げることは、山陽方面の経済上からみても人心の影響から考えても、決して善策でない。
では、ない金、ない米を、秀吉はどう捻出したろうか――である。
あきらかな資料はないが、およそこういう局面にゆきあたるのは軍政上ままある慣いだ。秀吉はまずこの地方の米を帳付(軍票)で買い上げたにちがいない。