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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

小牧山

だが、にわかにわざわざ申しやる一事は、勝入秀吉へ加担と知らば、かならず信雄、家康が手をかえ品をかえ合戦を挑み来るは必定なれど、決してその手にのって応ずるな。逸まるな。池田勝入、森武蔵は、前々から敵を侮りがちな武勇自慢の者どもである。その方、軍監として、よくよく心得おくように。機を過らず諫めよ。その段、肝要のこと也。謹言。

筆をおくと、すぐ、

「使番の者に、今からこれを大垣の甚右のところへ持たせてやれ。いそぐぞ」

と、いいつけた。

ところが、翌々日の夕、十五日にはもうその大垣からべつな情報がまた届いていた。

犬山落城。――すなわち勝入父子が、去就一決と同時に、木曾川第一の要地を占領して、秀吉へ加担の引出物とした快報であった。

「やりおッたわ」

秀吉はよろこんだ。しかし、憂えた。

小牧山

あくる日は、十六日。

秀吉はもう坂本にいなかった。

彼の杞憂は、果たして単なる杞憂ではすまなかった。この十六、七日のあいだに、早くも憂うべき破綻の兆しが事実となってあらわれた。

犬山快捷のあと、勝入の聟の森武蔵守が、われも一功名をと、徳川方の本営小牧を奇襲するつもりで、羽黒へ潜行し、かえって大敗を喫したのみか、鬼武蔵とよばれた森長可は、討死したということが聞えたのである。