Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
聞くと、秀吉は、今にも、涙のたれそうな眼をして、
「ああ、剛気なやつよ。一をもって万に当る。平八郎とやらは、まさに、大丈夫というべき者だ。おのれは、ここに死して、一刻たりと、われを龍泉寺川に阻め、主人家康をのがれしめんとする心根のいじらしさよ」
そう、つぶやいてまた、
「あわれ、あわれ。たとえ、彼奴よりどんなに撃ちかけてまいるとも、味方は、一矢一弾も、かれに放つな。……他日、もし縁もあらば、この筑前の家中に加えて、愛づべき男……撃つな撃つな、見すてて行けやい」
こういう間も。
もちろん、対岸からは、容赦なく、三だん交代の銃手が、弾ごめせわしく、撃ちつづけていたし――その一、二弾は秀吉のそばをかすめた程だった。
そして、秀吉が、眼をこらして見ていた装いの武者――鹿角のかぶとをかぶった平八郎忠勝は、そのとき、水ぎわへ寄って、馬から降り、馬の口を、川の流れで洗っていた。
一川をへだてて、秀吉もかれを見、平八郎も、あきらかに、秀吉ありと見ゆる一群が、馬を止めているのを、じっと、眺めているふうである。
「ひともなげな態度」
「小憎い敵」
秀吉軍の一銃隊は、あわや応戦の火ぶたを切りかけたが、秀吉は、ふたたび、