Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんじゅのことば

新樹の言葉

太宰 治

Lesen Sie 新樹の言葉 (しんじゅのことば) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.156 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

いいえ、むかしから他人なのよ。心の住んでいる世界が、千里も万里も、はなれていたのよ。一緒にいたって、お互い不幸の思いをするだけよ。もう、きれいにおわかれしたいの。あたし、ね、ちかく神聖な家庭を持つのよ。

――うまく行きそうかね。

――大丈夫。そのかたは、ね、職工さんよ。職工長。そのかたがいなければ、工場の機械が動かないんですって。大きい、山みたいな感じの、しっかりした方。

――私とは、ちがうね。

――ええ、学問は無いの。研究なんか、なさらないわ。けれども、なかなか、腕がいいの。

――うまく行くだろう。さようなら。ハンケチ借りて置くよ。

――さようなら。あ、帯がほどけそうよ。むすんであげましょう。ほんとうに、いつまでも、いつまでも、世話を焼かせて。……奥さんに、よろしくね。

――うん。機会があれば、ね。」

次男は、ふっと口をつぐんだ。そうして、けッと自嘲した。二十四歳にしては、流石に着想が大人びている。

「あたし、もう、結末が、わかっちゃった。」次女は、したり顔して、あとを引きとる。「それは、きっと、こうなのよ。博士が、そのマダムとわかれてから、沛然と夕立ち。