Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひめくり

日めくり

壺井 栄

Lesen Sie 日めくり (ひめくり) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.884 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

この薬はひどく利いたらしい。壮一は急におとなしくなった。

「いこうよ。そして、太郎兄ちゃんと一しょに、ねるのよ」

「…………」

「太郎兄ちゃんに、壮一は、アパート建ててもらうんだって」

だまって、こっくりをする。

「じゃあさ、泊りにいって、ついでにそれも、たのんでこよう」

「いやだァ」

「なぜ」

「あんな大きな家、お掃除に困るんだって」

「だれがいったの」

「お父ちゃん」

「へえ」

「お父ちゃん、団地、きらいだってさ」

「そう。どうしてかしら」

「あのね、お花やね、植木やね、植えられないんだって」

「そう」

「だからぼく、もう団地、いいんだ。だって、お父ちゃん病気で、かわいそうだもん」

「…………」

元子はだまってふるえる呼吸をした。

「さ、今度は壮ちゃんよ。おしっこして、おねまききかえて――」

「はーい」

壮一はひとりで洋服をぬぎ出した。山形の母は、いとしそうにそれを眺めながら、

「おとなしくしないと、お父ちゃん、帰るのいやだっていうよって申しますとね、こうして、ひとりで、ねまき、きかえますの。いじらしくて」

おだてられて壮一はおとなしく寝床に入っていった。所在なさに元子は、何気なく、テレビのわきの柱にかかっている、柱ごよみをみた。