Japanische Klassiker mit Furigana
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本の怪談(二) (かにのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.664 Zeichen · 171 Bildschirme
しかし、為作には中も見えなかった。
「見えるでしょう、白いな蛇よ」源吉は前に指をさして、「それその蛇よ」
草、祠、祠を抱いた榎もはっきり見えるが、他には何もなかった。
「お祖父さんには見えない、見えなくても、も、もったいない」為作はとり乱したように云って地べたへ頭をつけて、「こんな小供の云うことをおとりあげくださいまして、ありがとうございます、ありがとうございます」
「お祖父さんは眼やにをつけてるだろう、顔を洗って来ると見えるのだ」
為作は顔をあげなかった。
「もったいない、もったいない、お祖父さんはどうでもええ、ありがとうございます、ありがとうございます、どうかお引取を願います、お前も何時までももったいないことをしてはならん、早う神様にお引取を願うがええ、もったいのうございます、もったいのうございます」
「お祖父さん、お諏訪様は、今輪になったよ」
「これもったいない、もったいないことを云うてはならんぞ」
「お諏訪様、お祖父さんは、お諏訪様が見えんと云います、蟹を伴れて来て見せてやっておくんなさい」
「罰あたり奴が、そ、そんな我がままを申しあげてはならんと云うに、神様、どうぞ、もう、こんな小供の云うことはおとりあげになりませんように」