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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

「お媽さんは今朝はよくやすんでますよ、悪いものが離れたかも判りませんよ」

「そうかなあ」

「今晩験してみたら判りますよ」

お滝はその日は寝床の中にいることはいたが非常に穏かであった。老婆は気に逆うてはいけないと思ったので、黙って飯を持って往って置いて来ると、お滝は何時の間にか喫ってあった。

「今晩験してみたら判りますよ」

老婆は夕飯を喫いながら新一にこんなことを云った。

「あれで来なくなると好いがなあ」

「もう来ませんよ」

その晩も新一は茶の間で寝て老婆は奥の間に寝ることになった。新一はその晩もついすると怪しいものが来るかも判らないと思って、夜着の下に短刀を隠しながら一方母親の容子に注意していたが、夜半比になるとつい睡ってしまった。そして、眼を覚した時には朝になっていた。

「坊ちゃん、もう眼が覚めましたか」

老婆はそこへ起きて来て云った。

「ああ、もう夜が明けたかい、お母さんはどうだろう」

「昨夜、遅くまで起きて、蒲団の上に坐ってたようでしたが、独言も云いませんでしたよ、坊ちゃんの処には、変ったことはなかったのですか」

「ああなかったのだよ」

「じゃ、やっぱり憑物が離れたのですね、これで二三日すりゃ好いのですよ」