Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.620 Zeichen · 26 Bildschirme
おばあさまはすっかりお察しになっていたとみえ、少し間をおいてからしずかにお続けなすった。「あなたは歌を詠んで一生をおすごすお考えかも知れない、それだけの才をもっておいでなのだからそれも結構でしょう、……けれどもすぐれた歌を詠むことと結婚することとをべつべつに考えてはいけませんね。おんなは良人をもち子供を生んで、はじめて世の中というものがわかり、本当のかなしみやよろこびがどうあるかを知るのです。……いつぞや力んだ考えかたをしすぎると申上げたが、それは独り身をとおそうという気持が根になって、些細なことにもすぐ肩肱を張る癖がついているからです。それでは格調の正しい歌は詠めても、人の心をうつ美しい歌は……」
そこでお言葉は切れてしまった、――女は良人をもち、云々ということは亡くなった母上にも聞いてかくべつ耳新らしくはなかったが、お言葉の終りのほうはいつまでも頭に残った。そしてずいぶんうちつけに仰有ると思い、ひと月ほどはお訪ねもしなかったように記憶している。
萩原直弥へのちぞいにというはなしは兄から聞かされた。はじめは冗談かと思ったが、まじめな相談だとわかると正直にいって自分が可哀そうになった。