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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.091 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

そんなにお石の琴が評判になっていたのか、平之丞もさすがに無関心ではいられなくなり、あれだけ弾きこなすそでのあとで、はたしてどれほどの腕をみせるかと、ちょっと坐り直すような気持でお石の出るのを待っていた。

そでが弾き終ると、こちらまで聞えるほどの嘆賞の声がおこった。ひとしきり賑やかなざわめきが続き、やがてお石の番になったらしい、だがお石は立とうとはしなかった、まわりの者がしきりに促しているし、六弥の妹がそばへいって懇願するようすだった。けれどもお石はおっとりと頬笑み、こうべを振るばかりでどうしても立たなかった。そこへ三寺市之助が戻って来た。

「お石どのは出ないぞ」

彼は自分の席に坐りながらそう云った、

「それほどのたしなみがない、あんまり恥ずかしくて、ただそう云うばかりだ、ほんとうかね」

「そうだろうな」

と六弥が微笑しながら頷いた、

「検校の評がたしかならこんな席で弾く筈はない、そでは余りたやすく考えすぎたんだ」

「そんなこともないだろう」

平之丞はとりなすように云った。

「たしなみがないと云うのも自分としては偽りのない気持だろうし、ふだんこういうつきあいが無いから恥ずかしくもあるのだろう、なにしろ墨丸だからな」