Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.091 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

五

黒いと思った肌色がきめのこまかな小麦色になり、艶つやと健康なまるみを帯びてきた。髪もいつか赭みがとれたし、背丈も並みよりはむしろ高いくらいに伸びた。注意して見るにしたがって、こういうことの一つ一つが平之丞の眼を瞠らせ、云いようもなく心を惹きつけられた。彼は幾たびも考えてみたのち、それがもっとも自然であり望ましくもあると信じたから、母にうちあけて相談してみた、

「あれなら鈴木の嫁として恥ずかしくないと思いますが、どうでしょうか」

「そうですね……」

母はまるで想像もしていなかったのであろう、初めはかなりためらうようすだった。然しそう云われて考え直すと、こんどは平之丞よりも乗り気になりだした。

「とにかく父上に願ってみて下さい」

そう云って、彼は安心してすべてを母に任せた。

五

父も初めは難色をみせたそうである。

「今ひとつ縁談があるのだが……」

そういうことで暫く保留になった。そしてその父もよかろうと承知し、はじめて母からお石に話をした。するとお石は考えてみようともせず、きつくかぶりを振って断わった。

「わたくし琴で身を立てたいと存じます、生涯どこへも嫁にはまいらないつもりでございますから」