Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Lesen Sie 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.254 Zeichen · 151 Bildschirme
外遊雑話
一
僕は船の中でのいろんなことがきまると、友人等と一緒に飯を食う約束のうちへ行こうと思って、船から降りようとした。すると、さっき僕について来た私服が、ほかに三人ばかりの私服と一緒に昇降口の梯子のところに突っ立っていて、通さない。
「もう船に乗った以上は、降りることはできない。国境から出てしまったんだ。降りれば、再びまた国境にはいったものとして、六カ月の禁錮に処する。」
そんな馬鹿なことがあるもんか、それならそうと何故さっきそう言わないんだ、といろいろに抗弁して見たが、要するに何とも仕方がない。
僕は船のボーイに電話をかけさせて、友人等にそのことを知らせて、そして自分の室の中に寝ころんだ。
船は六月三日の朝早く碇をあげた。
――一九二三年八月十日、東京にて――
外遊雑話
一
いつも旅をする時には、行きは大名帰りは乞食、というのがおきまりなのだが、こんどは例外でそのあべこべに行った。帰りはマルセイユの領事館で二等の切符を買ってもらった。それもうまく行けばほんとうのお大名の一等のをもらえる筈だったが、パリの大使館で誰かがもっとも千万の三等説を持ち出したので、その間をとって二等ときまったのだそうだ。