Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
鍛冶七――鍛冶もしていた鉄問屋――の裏には、猫婆がいるということなど、いつの間にか大人よりよく知ってしまった。
猫婆さんは真暗な吹鞘場に――その家も大かた鍛冶屋ででもあったのであろう。大溝が邪魔をして通り抜けられない露路奥になっていたので、そんな家のあることも、そんなお婆さんの生ていることも、ほんとに幾人しかしりはしなかった。ただ猫だけが知っていて、宿無し猫が無数に集ってきていた。いつもお婆さんの廻りは猫ばかりなので、猫ぎらいなあたしは、お婆さんの顔の輪格もはっきり見知らなかった。
「まだ生てるよ、顔だけあったもの。」
なぞと、覗いてきては子供たちはいった。
土のお団子などをこしらえている時に、坊ちゃんの一人が目附けだされて、連れかえられようものなら、その子は家へかえるのを牢獄にでもおくられるように号泣した。残されるものもみんなさびしかった。なぜなら、帰ればその子におしおきが待っているからである。なぜ表へ出て、あんな子たちとお遊びなさいました――とそれはまた、各自の身の上ででもあるからなので――
あたしもよく引き摺ってゆかれて、お灸を据えられたり蔵の縁の下に投りこまれたりした。