Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

」

藤木さんは胸を反して膝の上に両手をおいた。

「秀才だったのだよ。なんて、菅秀才はお芝居の寺小屋へ出る。他の秀才は他人のことで榎本の釜さんなんかがそうだったのだね。僕なんぞはおんなじように、子のたまわくなんてやって、なんの事だかチンプンカンプンだったのだ。だからだめさ、勉強しなくっちゃ、なんでもいけないさ、君のお父さんなんか、剣が利いたからたいしたものだ、剣の方じゃどうして立派な手腕だったそうな。今だってなみたいていなものは前へ廻れまいさ。」

「釜さんて誰のこと。」

「榎本武揚って人があるだろう。」

「ああ、知ってる。」

「あの人のちいさい時分には、家が貧乏で――はて、彼処は何人扶持だったけかな? 根岸の奥でね、藪のある、門に大きな樹のあった家さ。釜さん、遊ばないかったって返事もしやしない。子のたまわくだ。なにしてやがるかと思って、破けた窓の障子から覗くとね、ポンポチ米を徳久利で舂きながら勉強してやがるんだ。使いにゆく時だって破れ袴をはいてね、こちとら悪太郎の仲間になんかはいらねえで、いやに賢人ぶった子供だったよ。ヤイ釜公、どうして遊ばないんだと怒鳴ってもだめ。