Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

ある時、あんぽんたんが六才か七才だったろう、初夏に、このおじさんと父との真ン中に手をひかれて、鎧橋のたもとの吾妻亭という洋食やへいった。おさな心に残っているのは皎々たるらんぷと、杉の葉と、白い卓クロースだった。杉の葉は日本風の家を何か装飾したものであったろう、ブランデーをかけて火を燃すオムレツも珍らしかったが、私の眼に今も鮮かにくるのは赤いツブツブのある奇麗な小さな丸るいものだった。たしか一つぶしかついていなかったが、あたしが凝と眺めていると、父が気がついて、自分のお皿の中からとって、あたしの白いお皿の、青いものの上にのせてくれた。すると、村田さんもおなじように、近眼鏡を近よせて、転がさないようにナイフの上に乗せてよこした。

それがあたしの、苺のみはじめだったのだ。食べはしなかったが、その赤さは充分に私を悦こばせ、最後までそのお皿をとりかえさせなかった。

「おかしな奴だ、気にいったら見ているばかりで、他のものも食わなくなっちゃった。」

父は帰ってからそういった。その癖がついて、洋食は大きくなるまで食べないで、手をつけないで、きらいではない習慣をもった。