Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

をして、切腹の正念場の時、私は泣出したのだそうだ。父は私をかかえて家まで送って来て、折角のところを見そくなったとこぼしていた。そんな事は度々であった。私はかなり大きくなってからでも、芝居茶屋の二階に、ポツネンと、あねさまを飾ったり、ボンヤリ考えたりして一人で居残っていたことが多かった。

それより困るのは撃剣大会というようなところへ連れてゆかれる事だ。私の姪や甥がボート選手の古いのをお父さんにもって、その季節に連れてゆかれると、お父さんの熱狂奔走ぶりに悲しくなるといったが、私の父の撃剣の場合もそうだった。小っぽけな子供なんぞ袖の下にはいってしまって、父は桟敷にがんばる。吃驚するような気合をかける。ト、ト、ト、ト、トッ、そら突け! と呶鳴る。私は縮みあがってしまって、父は殺されはしないかと思った。やがて自分も引っぱり出されてゆく。ゴチャゴチャになると、どれが誰だか分らないので、私は帰れるのかしらとベソをがまんしている。

国会開設前の時流は、三多摩の壮士が竹鎗で、何百人押寄せてくるのなんのと、殺伐な空気であったと見える。政談演説会や討論会もよく開かれた。