Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
古道具屋のでも結構だから、入れるだけの米が買えるようになったら米櫃もお買いなさい。」
「へえ? どうもそれは、ちと腑におちませんが――」
彼女の嫁女がそばから吹出していった。
「それはね、家で売った飯櫃が、廻り廻って、何処で売ってるかわからないので、気にしてらっしゃるのですよ。」
壮士荻野六郎にはなおさら話がわからなくなった。すると、彼女の息子も笑って言った。
「俺の失敗でね、おっかさん、子供の時の味噌樽式をやったのだよ。」
こんどは荻野六郎にもほぼ解った。彼も吹出したい気持ちで話を誘った。
「俺が酒に酔って帰って来ると、ツベコベいやがって面倒くさいから、蔵ン中へ叩きこんで大戸を閉めちゃったら、阿母まで締めこんでしまって――」
父はそれがくせの、左の手でやぞうをきめて、新進的代言人らしくもなく、ならずもののような巻舌で言った。
「祖母さんが厠へゆきたくなったとお言いだから、開けてもらいましょうというと、なに頼みなんぞおしなさんな、先方から悪かったと開けにくるまで投ったらかしておおき、干乾しにすれば親殺しになるから、だまっていても明日の朝は開けにくるよって――」