Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

なぜ引返したといっても辻車では仕方がなかった。住居は遠くもない鉄砲町なので、車夫は沢山のお礼をもらって病人を送っていった。

幾日かたった。おたけさんの開いていた氷屋の店は、ガランとして乾いていた。軍鶏屋をはじめたのがいけなくなって氷店になったのだった。道楽ものの兄が二人いたが、その一人と母親とが伝染て、二、三日のうちに三人もいなくなってしまった。

この西川屋一家も以前は大門通りに広い間口を持っていた。蕎麦屋の利久の斜向いに――現今でも大きな煙草問屋があるが、その以前は、呉服用達しの西川屋がいたところである。そこの主人はあたしの祖母の兄で、早くから江戸に出ていた。先妻に縹緻よしの娘を生ませたが、奥女中上りの後妻が継児いじめをするので、早くから祖母の手にひきとられ、年下のあたしの父の許婚となった。

後妻は由次郎、鉄五郎、おたけさんを生んだ。父親が歿なると、男振りのよい忰たちは直に店をつぶしてしまった――尤もそれには御維新の瓦解というものがあった故もあろうが――二人の忰はありったけの遊びをして、由次郎はコレラでなくても長くは生きないようになっていた。

鉄さんが鉄公になったころは散々で、もう仕たい三昧の果だった。