Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
思えば父たちのよろこびは、父祖みな、町人と賤しめられてきた長い長い殻を破りうる、議会政治をむかえるため、ここに新憲法の成立発布を、どんなにどんなにか祝したく思ったのであろう。江戸に生れて、志望を立てたのか、流行でなったのか知らないが、剣を学んだ壮士が、幕府の倒壊をよそに見、朝臣となり、転じて自由党に参加して野人となり、代言人となった彼は、自由民権といい、四民平等ということに、どんなにか血を湧かしたのであろう。それは一人の江戸町人の忰ばかりではない、国をあげて平民はよろこんだのだ。
――俺たちの時世がくる――
それが六十二議会で、議会は爛れきったものになって民心に嫌厭をさえ感じさせるようになろうなどとは思いもかけず、彼は赤黒くなるほど飲んで祝したのだ。
私は十才にならない小耳にも、よく父が、
「俺は六十になったら代言人(弁護士となっていたかもしれない)をよす。若いものも、華やかに隠退させるといっている。」
と口ぐせのように言っていたのを覚えている。淡白で、頑固で、まけずぎらいで、鼻っぱりだけ強い、やや軽率と思われているほど気の早いところのある、粘着性のうすい、申分ないほど、末期的江戸気質を充分にもった、ものわかりはよいが深い考えのない、自嘲的皮肉に富んだ、気軽で、人情深くユーモアな彼は、なんとしても自分が法律