Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
あの女の心がけがわるいからだが――」
だが、奥女中姿の裲褂で嫁に来た時はうつくしかったと、不便がって貢いでいた。
ある日祖母は、例によって私をつれて、山の手の坂のある道を行った。富坂というところだと松さんは言った。露路へはいりながら、しどい場処ですといって番地と表札をさがしたが、西川鉄五郎の家はどうしても知れないので空家のような家で聞くと、細い細い声で返事をした。
「此処でございます、此処でございます。」
祖母は松さんに手をとられてはいっていった。畳もなければ根太も剥いである。
「御隠居さん」
戸棚を細目にあけてそう言ったのは、二、三日前の晩、袢纏を紐でしばって着てきて、台所で叱られていた女だった。
「座るところはなくともよいから出ておいで。」
祖母はそう言ったが、やがて、モゾモゾと半裸体の女が這い出してきた。
「やれやれ、まあ!」
呆れた祖母は、俥に乗せてきた包みを松さんに取りにやった。
「お前をそんなにして投りだしておいて、鉄の人非人は何処へいった。」
というと、褌ひとつで戸棚から、
「面目も御座いません。」
と這出してきた。そして、祖母が救いに来たのだと知ると、一昨日の晩、女が死ぬような病気で、どっと寝ておりますといったのは、二人ともすっかり忘れてしまって、裸でも元気な調子でともかくやりきれないという事を、子供の