Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

ときによると、あんぽんたんまで、その人数に加えようと、借にくるのだった。

あんぽんたんが可愛いから、売に来てやるんだと、たんかを切る、深川浜の蛤町からくる、倶梨伽羅紋々で、チョン髷にゆっているというと威勢がいいが、七十五歳のおじいさん江戸ッ子の小魚売は、やせても昔の型を追って、寒中でも素体に半纏一枚、空脛、すこし暑いと肌ぬぎで銀ぐさりをかけて、紺の腹掛と、真白い晒布の腹巻、トンボほどな小さな丁字髷が、滑りそうな頭へ、捻じ鉢巻で、負けない気でも年は年だけに、小盤台を二つ位しか重ねていないが、ちいさな鰈や、鯒がピチピチ跳ねていたり、生きた蟹や芝海老や、手長や、海の匂いをそのままの紫海苔と、水のように透いて見える抄いたての白魚の間から、ちいさなちいさな小蟹だのふぐだのを選出してくれる、皺の自来也の、年代のついたいさみの与三爺が、

「げッ、鉄屑ぶとりめ。」

と唾きを吐きかけたが、おおかめさんは、それほど豊やかに肥っている。顔は艶やかだが赤黒く、体の肉は襞ごとつまみあげて、そこここを切りとれば、美事な肉片が出来ると思われるほどだった。だから、その面積もたいへんなもので、体を拭くのに二人かかった。