Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
学校と露路を間にして、これも元禄年間に建った表町通りの紙店の荷蔵がある。その裏の何かを取りはらって空地が出来た時、どんなに児童たちはよろこんだかしれない。向うの方に青い樹が五、六本、教室の窓の竹格子にむかって柘榴の花がまっかだった。両側が土蔵と土蔵で、突当りが塀で他家の庭木がこんもりしていた。
子供たちは鬼ごっこで無中になったが、なかで一番大童なのが校長秋山先生だった。先生は運動場をもったことと、子供たちが悦ぶのとで欣びが二倍であったと見える。お附合いで困ったのが通いの先生だった。この通いの先生は――初め来たのは若い人で、この商業町に、というよりその頃はまだ法律家などは珍らしかったものと見えて、私がそういう家の子だと知ると、特別にあつかいはしなかったが、少し待ってお出といって、家の角まで送って来てくれた。何か家のことでも聞いたりしたのかも知れないが覚えていない。ある日秋山先生が訪ねてきて、父と長く咄していたが、それは私を送ってくれる先生が書生にしてくれといったのだとあとで聞いた。
その次に来た先生が、鬼ごっこで恐縮していた人で、このおとなしい先生を子供たちまでが、校長と一緒になって気持ちでさいなんだ。