Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

士族上りの先生は弱げで、細い鼻のさきが、いつも冷たそうに赤ばんで、水鼻がうるんでいた。色白の女のように色の白い人で、お能役者のような摺足で歩いて、小倉の袴を引きずり、さほど年もとっていないのに背中を丸くしていた。よほど困窮していたと見えて、初めての日の中食に、竹の皮へ包んできた握飯と梅干をつまんで食べたので侮ってしまったのだった。千住から歩いて来るので、朝早くから出るのに、雨が降ると草鞋を穿いていた。秋山先生の弟子煩悩は大変なもので、ある折、市の聯合の大運動会が、桜の盛りの上野公園で催された。小さいながら代用学校と認められて参加を許されたのだから、先生は宇頂天なほど悦んで、一層空地の鬼ごっこや旗とりが奨励された。その日は区内の細かい学校が一かたまりになって、大きな公立小学校に対抗するので、源泉学校と染めた旗も出来上った。女の子は赤い緒の草履、男の子は白い緒の草履、お弁当はみんな揃えてお寿司の折詰を学校からあつらえ、お菓子や飲料のことまで世話人を定めたところが、あいにくその日は朝から曇って、八時ごろには地雨になってしまった。無論子供たちも落胆して泣いたが、附添いや何かに慰められて帰ろうとした。