Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

祖母はその二、三種を、手ごろな有りぎれのまま、ザクリと手にさげて帰る――あたしたちの目はかがやいたものである。その裂れ地が、もらった嬢さんたちの結綿島田にもかけられ、あたしたちの着物にもじゅばんの襟にもかけられた。帯にもなった。

ある日、大丸に大変な人だかりがした。西洋人が買物に来ているのだという。いってみると、太い赤い頸に金茶色の毛がモジャモジャしている、眼鏡をかけた男と、キチキチした、黒っぽく光る上衣に、腰の方だけ沢山ひだを重ねて広がった服をきている、意地のわるそうに尖がった、茶色の眼の、狐のような女が、ボンネットをかぶって、見物にかけつけたものを睨めかえしていた。小さくて痩せている犬をつれていた。子供の目にも、今思いだしても、決して上品なよい人柄とは思えなかったので、ものめずらしくはあったが、なんとなくこの西洋人を軽蔑した。その時分、黒いやせた、茶色の斑点が額にコブのようにある洋犬をカメと呼んだ。だが、そのおり人々が口にしたカメは、連れていた小犬ではなく、どうもその女の方をさして呼んでいた様子だった。西洋人も傲慢だった。泥靴のままで畳の上へ上っていった。