Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
毎日一、二段ずつお浚いのように唄わされた。まあ、助六を知っていますか? ではそれを――勧進帳も? 牛若も? まあ、あれも? これも? いい声だいい声だとそやされて無中になって唄った。しまいには、兄さんが体がわるいので気むずかしいが、やっちゃんの唄をきくと大層よろこぶからと――これは体のよいおとりで、窓はいつもあけはなち簾だけにしてあったから人だかりがした。そのうちポツポツお弟子が出来てきた。
お弟子の種類が所がらで面白い、水天宮様のおきよめ――門前で五の日五の日に、神前へそなえる小さいお供餅を細い白紙でちょいと結んで売る商売、中には売色で名高い女もあった。年増の芸妓の手ほどきなどで、そのうち裏から表通りへ越すようになった。階下が住居で二階が稽古場、壁が汚ないので古新聞を一ぱいに善兵衛おじいさんが張ってくれた。勝梅さんは色白の毛の薄い大あばたで、眼が見えないから、壁の汚ないのは平気だが、子供のくせに潔癖性で、気味悪げに私が見廻すので、来なくなるといけないからと、大ふんぱつで張ってくれたのだった。
三味線が二張に見台。そのほかは壁の隅に天理王を祭った白木の小机があるだけ。